Shopifyで多言語サイトを作る方法|設定手順とおすすめ翻訳アプリ5選【2025年版】– Shopifyでの多言語対応を始めるために必要な基本知識から、実際に使える翻訳アプリの比較まで、初心者でも安心して導入できるステップをわかりやすく解説します。 –

Shopifyで多言語対応は本当に必要?
結論から言えば、越境ECを真剣に展開するなら、多言語対応は「必須」です。
日本語だけのストアで海外ユーザーに商品を購入してもらうのは、ハードルが非常に高くなります。特に購入という行動には、言語による「安心感」や「理解のしやすさ」が強く影響します。
多くの日本企業は「英語なら読めるだろう」と考えがちですが、実際にはその逆。英語を母語としないユーザー(例:フランス、スペイン、東南アジア圏)ほど、母国語でないサイトに不信感を持ちやすいのです。
また、Google翻訳などの機械翻訳に頼る場合も注意が必要です。たしかに自動翻訳は便利ですが、「不自然な日本語→機械翻訳→さらに不自然な現地語」という流れで訳されたページは、UX(ユーザー体験)と信頼性を大きく損なう結果になります。
海外ユーザーが商品を購入するまでの流れは、日本以上に複雑です。以下のような場面で言語の壁が大きく影響します:
- 商品説明が理解できない → 離脱
- 利用規約や配送条件が読めない →不安感からカゴ落ち
- サポート問い合わせができない → クレームやSNSでの悪評リスク
さらに、実際のデータでも、自国語でサイトが構成されている場合、購入率(CV率)が2〜3倍になるという調査結果もあります(CSA Research調べ)。
したがって、Shopifyで越境ECを始める際には、最低でも主要ターゲット国の言語対応を検討すべきです。
「英語で統一する」ではなく、“誰に売るか”から逆算した多言語対応が求められます。
Shopifyの多言語機能の基本(2025年最新版)
Shopifyは、越境ECに対応するための多言語機能を年々進化させています。2025年現在、Shopify公式機能の中核となっているのが「Shopify Markets」です。これにより、単一のストア内で国や地域ごとの言語・通貨・価格・配送条件などを柔軟にコントロールできるようになっています。
「Shopify Markets」でできること
Shopify Marketsを使うと、以下のような設定が可能です:
- 国別の表示言語の指定
- 現地通貨への自動変換(為替レートに連動)
- 地域別の配送オプションや関税設定
- 言語・通貨の自動切替(IPアドレスやブラウザ言語による)
たとえば、同じ商品ページでも、日本のユーザーには「日本語+円表示」、アメリカのユーザーには「英語+USD表示」で表示できます。
言語切替の方法:セレクタ or 自動切替
言語を切り替える方法としては、以下の2つがあります:
- 言語セレクタ(ドロップダウン)
→ ヘッダーやフッターに表示される手動切替。ユーザーにとって分かりやすく確実。 - 自動切替(IPやブラウザ言語による判定)
→ 初回訪問時に自動で推奨言語を表示する。UXが向上するが、誤判定のリスクもあるため、セレクタとの併用が推奨されます。
URL構造の設計:サブドメイン vs サブディレクトリ
多言語対応時のURL構造は、SEOや運用効率に直結する重要な要素です。Shopifyでは主に以下の2パターンが選べます:
方式 | 例 | 特徴 |
---|---|---|
サブドメイン型 | en.example.com | 管理・トラッキングが分かりやすいが、SEO上は別サイト扱いになる点に注意 |
サブディレクトリ型 | example.com/en/ | SEO評価が本ドメインに集約されやすく、Googleも推奨している方法 |
特別な理由がなければ、基本は「サブディレクトリ型」がおすすめです。特にSEO効果を高めたい場合や、ページ管理を統合したいときに向いています。
hreflangタグによるSEO最適化
多言語対応の際には、hreflangタグの設定も必須です。これは、同じコンテンツでも言語や地域が異なるページ間の関係をGoogleに正確に伝えるためのタグです。
例:<link rel=\"alternate\" hreflang=\"en\" href=\"https://example.com/en/\" />
<link rel=\"alternate\" hreflang=\"ja\" href=\"https://example.com/ja/\" />
この設定をしておくことで、重複コンテンツとみなされるリスクを回避しつつ、ユーザーに適切な言語のページを表示させることができます。
▶︎ hreflangの詳細や設定方法は、こちらの記事にて詳しく解説しています。

Shopifyは、標準機能だけでも多言語対応をスムーズに進められますが、翻訳精度や文化対応までは手が届かないのが現実です。このあと紹介する翻訳方法やアプリ選定と組み合わせることで、実践的かつ効果的なグローバル展開が可能になります。
多言語化の3つの方法(自社に合うやり方は?)
Shopifyで多言語ストアを構築する方法は、大きく分けて以下の3つに分類されます。それぞれにメリット・デメリットがあり、企業のリソース・体制・優先順位に応じた選択が重要です。
① 自動翻訳アプリを使う(スピード優先)
もっとも手軽かつスピーディに導入できるのが、Shopifyの翻訳アプリを使った自動翻訳です。WeglotやT Labなどのアプリをインストールすれば、すぐにサイト全体を多言語化できます。
長所
- 導入が早く、数分で反映可能
- アプリによってはSEO(hreflang・翻訳URL)にも対応
- 翻訳対象を自動検出し、柔軟に編集できるものもある
短所
- 翻訳精度は100%ではない(ニュアンスや専門用語に弱い)
- 無料プランは翻訳上限や言語数に制限あり
- デザイン崩れや一部未翻訳になるケースも
精度の目安
アプリによってはDeepLやGoogle翻訳ベースのものもあります。簡単な商品説明やUI文言なら問題ありませんが、「信頼性が重視される高額商品」「微妙なニュアンスが大切なブランド文脈」では注意が必要です。
② 手動翻訳+テーマ編集(品質重視)
翻訳品質を重視したい場合は、手動でコンテンツを翻訳し、Shopifyの言語設定やテーマエディタで編集する方法が有効です。
この方法が向いているケース
- 商品数が少なく、丁寧な翻訳が求められる
- 法律・医療・BtoBなど、誤解が命取りになる業種
- ブランドトーンやコピーのニュアンスに強いこだわりがある
注意点
- 商品数やページ数が多いと工数が膨大に
- 翻訳とテーマ編集の知識が必要(HTML/JSONの調整も発生しやすい)
- 多言語アプリと併用する場合の挙動に注意
自社内に翻訳・運用できるリソースがある場合、もっともコントロールしやすい方法です。
③ 外注 or ハイブリッド(BODALESSの支援など)
「自動翻訳では不安。でも自社で対応しきれない」という場合は、専門パートナーに多言語対応を外注するのも有効です。最近は「自動+手動」「構築+翻訳」などを組み合わせたハイブリッド型支援も増えています。
特徴とメリット
- 翻訳だけでなく、**文化・商習慣への最適化(ローカリゼーション)**も対応可能
- ブランドトーンを保ったまま、多言語展開が可能
- 初期構築だけ外注し、運用は社内で行うことも可能
BODALESSの場合
- 専門翻訳者によるネイティブチェック付き
- デザイン・通貨・配送など「翻訳以外の多言語要素」も一括サポート
- Shopify Markets対応を前提とした、実務レベルの導線設計まで一貫支援
それぞれの方法には一長一短がありますが、「早さ・品質・持続性」のどれを優先するかで選び方が大きく変わります。
おすすめの翻訳アプリ5選【比較表あり】
Shopifyで多言語対応を行う際には、翻訳アプリの選定が成果を左右します。ここでは、実務レベルで使えるおすすめアプリ5選を、機能・使いやすさ・価格の観点から比較しました。
アプリによっては「自動翻訳が得意」「手動編集に強い」「SEO最適化が可能」など特徴が異なるため、自社の優先事項(スピード/精度/運用性)に合わせて選ぶことが重要です。
翻訳アプリ比較表(2025年時点)
アプリ名 | 自動翻訳 | 手動編集 | UIの使いやすさ | 無料プラン | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
Weglot | ◎ | ◎ | ◎ | △(制限あり) | 海外利用率が高く、SEO最適化や多言語URLにも対応。初期の導入スピードも速く、翻訳品質も比較的高め。中〜上級者向け。 |
Langify | ◎ | ◯ | △ | ✕ | Shopify黎明期からの老舗アプリ。細かなカスタマイズが可能だが、ややUIが古く、技術知識が必要な場面も多い。 |
T Lab | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 高機能・高コスパで評価上昇中。Weglotと比べてコストを抑えつつ、SEOやUIも優秀。初〜中級者に最もおすすめ。 |
Translate & Adapt(Shopify公式) | ◯ | △ | ◯ | ◎ | Shopify公式が提供する安心感。機能は限定的だが、シンプルな多言語対応を試したい初心者には最適な選択肢。 |
GTranslate | ◎ | ✕ | ◯ | ◎ | Google翻訳ベースで即時反映が強み。無料でも多言語化できるが、翻訳品質やSEO対応ではやや劣る。技術リテラシーが高い方向け。 |
選び方のヒント
- 初めての多言語化で迷ったら → T Lab または Translate & Adapt から試すのが安全
- SEOやURL構造まで最適化したいなら → Weglot 一択
- 翻訳コストを極力抑えたい場合 → GTranslate(ただし品質には要注意)
多言語対応時の注意点とベストプラクティス
Shopifyで多言語ストアを構築する際、翻訳アプリや設定に気を取られがちですが、本質的な成功要因は「翻訳の前段階の準備」と「翻訳以外の要素への配慮」です。以下に、実務で陥りやすい落とし穴と、抑えておきたいベストプラクティスを整理します。
翻訳前に「日本語コンテンツの整備」が重要
多言語化は、「翻訳元」が整っていてこそ効果的です。
曖昧な表現・冗長な文章・専門用語の乱用があると、機械翻訳でも人力翻訳でも精度が落ちます。
- 商品説明やコピー文を簡潔かつ明快に再整理
- 日本語の語尾や文法のバラつきを統一
- 一文が長すぎないように調整
翻訳の質を上げる最短ルートは、「翻訳前の日本語をクリアにすること」です。
SEOへの影響(URL構造・メタタグの扱い)
多言語化は、Googleから見て「別ページ」として扱われることが基本です。そのため、以下の点に注意しましょう:
- 各言語ごとにユニークなURLを持たせる(例:
/en/
、/fr/
) hreflang
タグで言語の関連付けを行う(← Shopify Marketsが対応)- メタタイトルやディスクリプションも各言語ごとに調整すること
これを怠ると、「同じ内容のページ」として重複扱いされ、SEO上の評価が下がることがあります。
通貨・配送・問い合わせフォームなど「言語以外」も要対応
言語はあくまで一部です。ユーザーが購入までたどり着くには、他の要素も現地向けに最適化されている必要があります。
- 通貨(ドル、ユーロ、現地通貨など)での表示
- 配送方法と送料表示のわかりやすさ(関税・所要日数など)
- 問い合わせフォームの言語と返信体制(英語対応可否)
言語だけ整っていても、これらの体験が雑だと信頼を損ねます。
アプリを入れるだけで満足しないこと!
多くの事業者が「翻訳アプリを入れたからOK」と安心してしまいますが、翻訳=多言語対応のすべてではありません。
- 表示の崩れや未翻訳箇所のチェック
- ボタンやCTA文言のニュアンス調整
- ブランドトーンを損なわない表現の統一
多言語対応は「技術対応」ではなく「顧客体験の最適化」です。最初は簡易な構築でも構いませんが、リリース後も継続的な改善が必要です。
BODALESSによる多言語ストア構築サポート
BODALESSでは、Shopifyを活用した多言語対応ストアの構築支援をワンストップで提供しています。単なる翻訳作業にとどまらず、文化背景や購買行動に合わせた表現調整、デザインの最適化、運用支援までを一貫して対応できるのが特徴です。
対応内容の一例
- 専門翻訳+ネイティブチェック:英語・フランス語・スペイン語などに対応。ブランドトーンを崩さない高品質な翻訳を提供。
- 文化・商習慣への最適化:現地ユーザーの購買動機・不安要素を反映した商品説明やUI調整。
- Shopify Markets前提の設計:通貨、配送、税金、言語、URL構造を含めた包括設計。
- 公開後の運用改善支援:翻訳反映の不具合チェック、UI調整、海外ユーザー行動分析など。
プラン例
プラン名 | 特徴 | 想定対象 |
---|---|---|
テンプレート対応プラン | Shopifyテーマをベースに短期間で構築。自動翻訳×人力監修のハイブリッド型。 | スモールスタートしたい企業 |
完全カスタムプラン | ブランド設計に合わせた構成・翻訳・デザインをゼロベースで設計。 | 中堅企業〜グローバル展開前提の事業者 |
実績紹介
- ベビー用品ブランド:英語圏ユーザーに合わせたUI調整と商品ストーリーテリング強化で、海外CV率2.4倍に。
- 食品系D2Cブランド:台湾・香港向けに「安全性・信頼性」を訴求軸とした翻訳&FAQ設計で返品率を大幅改善。
- アパレルメーカー:フランス語・ドイツ語対応ストアを新設し、ヨーロッパからの注文比率が6ヶ月で3倍に。
「まずは社内でやってみたが限界を感じた」「ブランドの世界観を損なわずに多言語対応したい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。実際の画面や事例をもとに、最適なプランをご提案します。
お問い合わせから
無料のご相談は
まとめ|自社に合った多言語対応を選ぼう
Shopifyでの多言語対応は、「とりあえず翻訳すればいい」という単純な作業ではありません。誰に・どの市場に・どのように届けたいのかによって、最適な方法は大きく変わります。
まずは、「自動翻訳でも十分か、それとも精度が必要か」という軸で、自社のニーズを明確にしましょう。スピード重視で広く試したいのであれば自動翻訳アプリ、ブランド価値や信頼性を重視するなら手動翻訳や外注も選択肢に入ります。
また、翻訳精度だけでなく、現地文化に即したUX(ユーザー体験)設計や、通貨・配送・サポート体制まで含めて“多言語対応”と捉えることが重要です。翻訳はあくまでスタート地点であり、最終的には購入までの「体験全体」を設計することが成功へのカギとなります。
もし自社にとってどの方法が最適なのか判断が難しい場合は、専門パートナーに相談するのも有効な選択肢です。少しのアドバイスが、海外展開の成功確率を大きく引き上げてくれることもあります。
