韓国越境ECの決済方法まとめ|KakaoPay・NaverPay・クレジットカード比較
韓国は日本企業にとって魅力的な越境EC市場ですが、実際に参入を検討すると「決済まわり」でつまずくケースが少なくありません。
- KakaoPayやNaverPayといった現地特有のモバイル決済を導入できるのか?
- 海外法人のまま契約できるのか、代行会社を通す必要があるのか?
- クレジットカード決済だけでは売上機会を逃すのではないか?
こうした疑問や不安は、多くの企業が直面する共通の課題です。本記事では、韓国越境ECで主流となる「KakaoPay・NaverPay・クレジットカード」の特徴と導入時の注意点を比較し、日本企業が取るべき決済戦略を整理します。
*この記事は「韓国越境EC完全ガイド」の一部です。全体像を知りたい方は、こちらをご覧ください。

韓国ECにおける決済事情の全体像
モバイル決済が主流(KakaoPay・NaverPay・Toss)
韓国のEC市場では、モバイル決済の利用率が急速に拡大しています。KakaoPayやNaverPay、そして新興のTossは、スマートフォンでのショッピング体験をスムーズにし、特に20〜40代のユーザーを中心に支持されています。日常生活の中で自然に使われるため、ECサイトでも「対応していて当たり前」と認識されるほどの存在になっています。
クレジットカードは依然として基盤
一方で、クレジットカードは今も韓国決済の基盤です。韓国は成人のカード保有率が非常に高く、オンラインショッピングでも主要な決済手段として根強く利用されています。外国人利用や高額商品の購入ではクレジットカード決済が選ばれることが多く、モバイル決済と並んで欠かせない存在です。
日本市場との違い(現金・銀行振込の比率)
日本では依然として「代引き」や「銀行振込」が一定のシェアを持ちますが、韓国では現金決済の比率は低下傾向にあります。銀行振込も特定の層が利用するに留まり、EC市場全体を支える決済手段とは言えません。つまり、韓国越境ECを展開する場合は「モバイル決済+クレジットカード」への対応が最優先となります。
KakaoPayの特徴と越境ECでのメリット

韓国でのシェアとユーザー層
KakaoPay(카카오페이)は、韓国のモバイル決済市場でトップクラスのシェアを誇ります。国民的アプリ「KakaoTalk」に標準搭載されており、登録者数は数千万規模に達しています。特に20〜40代のユーザーが日常的に利用しており、オンラインショッピングだけでなく、オフライン店舗・公共料金・送金など幅広い利用シーンをカバーしています。つまり韓国消費者にとって「最も身近な決済手段」のひとつであり、越境ECにおいても対応が期待される存在です。
ECでの利用メリット(購入完了率の高さ)
KakaoPayはID連携により数クリックで決済が完了し、クレジットカード情報や口座情報を都度入力する必要がありません。そのため、ECサイトにおける「購入完了率」が高く、導入済みのストアではコンバージョン率向上が期待できます。またKakaoブランドへの信頼感から「安心して支払えるサイト」と認識されやすく、新規顧客の獲得にも有利です。
日本企業が導入する際の注意点
- 契約条件:日本法人のまま直接契約できない場合が多く、韓国国内の決済代行会社(PG社)を通すのが一般的。
- 手数料:取引額の約2〜3%前後が目安とされ、決済代行会社の条件によって変動。
- 送金スキーム:売上は韓国ウォンで受け取り、指定口座に送金される仕組み。為替手数料を考慮する必要あり。
- ECプラットフォーム対応:ShopifyやCafe24などのプラットフォームでは連携アプリが提供されているため、導入自体は比較的スムーズ。
越境ECにおける戦略的メリット
- クレジットカード単独対応のサイトに比べ、現地ユーザーの信頼獲得につながる
- 韓国ユーザーの「購入体験」に直結 → 離脱防止・売上増
- KakaoTalkとの接点が広告・マーケティングにも活用可能(例:カカオトーク通知やクーポン連携)
NaverPayの強みと韓国ECにおける役割

Naverショッピング連携による優位性
NaverPay(네이버페이)は、韓国最大の検索エンジン兼ポータルサイト「Naver」が運営する決済サービスです。特にNaverショッピングとの連携が強力で、商品検索から購入までをワンストップで完結できるのが大きな特徴です。ユーザーは検索結果画面からそのまま「NaverPayで購入」ボタンを押せるため、購入プロセスが極めて短く、衝動買いやリピート購入につながりやすい環境が整っています。
ユーザー層と購買行動の特徴
Naverは韓国で圧倒的な検索シェアを持ち、30代・40代のユーザーを中心に生活インフラ的に利用されています。そのため、NaverPay利用者は「検索 → 比較 → 決済」という購買フローの中で自然に決済を選ぶ傾向があり、EC事業者にとってはコンバージョン率向上に直結します。特に女性ユーザーや主婦層の利用率が高く、日用品や美容・ファッション系商品の販売に強みを発揮します。
日本企業が導入する際の課題
- 契約条件:NaverPayは韓国国内での導入が中心であり、日本法人のみで直接利用できない場合が多いです。
- 決済代行会社の活用:海外から参入する企業は、韓国の決済代行会社を経由して接続するケースが一般的です。
- 手数料・精算:手数料はおおむね取引額の2〜3%前後で、精算はウォン建てで行われるため、為替コストを考慮する必要があります。
- プラットフォーム対応:Shopifyをはじめとする越境ECプラットフォームでは、NaverPayに直接対応していないことが多く、現地パートナーとの連携が必須になります。
越境ECにおける戦略的メリット
- Naver検索からの集客と決済をシームレスに結びつけられる
- 韓国ユーザーに「安心・信頼できる決済手段」と認識される
- 美容・ファッションなど日本企業が得意な分野と相性が高い
クレジットカード決済の現状と課題

韓国のカード普及率と利用状況
韓国は世界でも有数のクレジットカード大国です。成人1人あたりの平均保有枚数は3枚以上とも言われ、オンライン・オフラインを問わず幅広く利用されています。EC市場においてもクレジットカードは依然として基盤的な決済手段であり、高額商品の購入や法人利用などでは特に重視されています。
外国人・旅行者にとっての利便性
韓国国内では外国人旅行者もカード決済を使いやすく、多くのECサイトやアプリが国際ブランド(VISA、Mastercard、JCBなど)に対応しています。韓国に進出する日本企業にとっても、在韓日本人や訪韓観光客向けの販売を考える場合、クレジットカード決済は必須の選択肢となります。
国際ブランド・韓国ローカルカード対応
韓国ではVISAやMastercardが広く使える一方、ローカルカード(BCカードや国民カードなど)も普及しています。現地ユーザーの中には国際ブランド非対応のカードを利用しているケースもあるため、ECサイト側は「現地カード会社の決済ゲートウェイ」にも対応できる体制を整える必要があります。
日本企業が導入する際の課題
- 手数料:カード会社や決済代行会社を通じて取引額の約2〜3%がかかるのが一般的。
- 精算通貨:売上は韓国ウォンで処理されるため、送金時に為替リスクが発生。
- セキュリティ要件:韓国はオンライン決済において本人認証や追加認証(OTPなど)を義務化するケースがあり、越境ECではシステム対応が求められることもあります。
越境ECにおける戦略的メリット
- モバイル決済と並び、EC参入に不可欠な決済手段
- 高額取引や法人向けB2B取引に強い
- 外国人顧客や観光客の利用にも対応できる
その他の決済方法と今後の動向
Toss(토스):急成長する新興サービス
Tossはフィンテック企業Viva Republicaが展開するモバイル決済・金融サービスで、近年急速にユーザー数を拡大しています。送金やクレジットカード管理に加え、投資・保険といった金融領域までサービスを拡張しており、若年層を中心に人気を集めています。ECにおける利用率も上昇しており、今後はKakaoPay・NaverPayに次ぐ「第3の決済インフラ」として定着する可能性があります。
Payco・Apple Payの普及状況
PaycoはNHNグループが提供する決済サービスで、オンラインゲームやデジタルコンテンツとの親和性が高く、特定ユーザー層に支持されています。またApple Payは2023年に韓国でサービスが開始され、iPhoneユーザーを中心に利用が広がりつつあります。ただし、店舗対応の遅れや加盟店数の課題もあり、現時点では限定的な普及にとどまっています。
銀行振込・現金決済の縮小
韓国では銀行振込(계좌이체)や現金決済の比率は年々縮小傾向にあります。オンラインバンキングやモバイル決済が主流になったことで、ECにおいてはほとんど利用されないケースも増えています。日本のように代引きや振込が一定シェアを持つ状況とは大きく異なり、韓国越境ECでは優先度の低い決済手段といえます。
越境ECにおける示唆
- 主要3サービス(KakaoPay・NaverPay・クレジットカード)が中心であることは変わらない
- ただしTossやApple Payなど新興サービスは無視できず、将来的には対応範囲の拡大が求められる可能性あり
- 消費者の嗜好変化に合わせ、決済手段のアップデートを継続することが競争力維持につながる
日本企業が韓国越境ECに決済を導入する際のポイント
Shopify・モール型ECでの決済対応
韓国市場に越境ECで参入する際、多くの企業はShopifyやCafe24といったプラットフォームを活用します。Shopify自体はグローバル決済に強みがありますが、韓国特有の決済(KakaoPay・NaverPayなど)に直接対応していないケースもあります。そのため、現地の決済代行会社(PG社)を経由して接続することが一般的です。モール型EC(例:Coupang、11st)を利用する場合は、モール自体が決済手段を網羅しているため比較的スムーズに参入可能です。
決済代行サービスを通じた導入フロー
日本企業が韓国の主要決済を導入するには、決済代行サービスを活用するのが現実的です。一般的なフローは以下の通りです:
- 決済代行会社に契約申請(海外法人でも対応可の場合あり)
- 審査通過後、KakaoPayやNaverPayなど複数決済がまとめて利用可能
- ECプラットフォームと連携し、テスト決済を経て本番稼働
この仕組みにより、現地法人を持たずとも韓国消費者が普段利用している決済手段を提供できます。
手数料・送金スキームの比較と選び方
決済手数料は一般的に取引額の2〜3%前後で、サービスや契約条件によって変動します。また、売上は韓国ウォンで精算され、日本口座に送金する際に為替手数料や海外送金手数料が発生します。契約前に「実際に手元に残る金額」を試算しておくことが重要です。特に高単価商材を扱う場合、数%の手数料差が大きなコストインパクトになるため、複数の代行会社を比較検討するのが望ましいです。
越境EC成功に向けた決済戦略
- 必須対応:クレジットカード+KakaoPay or NaverPay
- 追加対応:TossやApple Payは将来を見据えて検討
- 導入時の工夫:為替や手数料を抑える仕組みを早めに整備
- 信頼獲得:現地ユーザーが普段使う決済を提供することで、ブランドへの信頼度も高まる
まとめ:韓国越境ECでは「モバイル決済+カード」の導入が必須
韓国は世界でも有数のEC大国であり、日本企業にとって大きな商機があります。しかし、参入時に最初のハードルとなるのが「決済対応」です。韓国ユーザーはKakaoPayやNaverPayといったモバイル決済を日常的に利用しており、クレジットカードとあわせて「最低限対応すべき決済手段」となっています。
越境ECで成功するためには、
- モバイル決済+カードの両立が必須
- 決済代行会社を活用し、現地仕様に対応すること
- 手数料・送金スキームを事前に精査しておくこと
これらを押さえることで、韓国の消費者に「安心して買えるECサイト」と認識され、売上拡大につながります。
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