Shopifyで海外SEO対策するには?URL構造・hreflangの基本【2025年版】– Shopifyで越境ECを成功させるには、検索で見つけてもらう設計が必須。URL構造とhreflangの基本を丁寧に解説 –

なぜ海外SEOが越境EC成功のカギになるのか

越境ECでは、海外のユーザーにサイトを見つけてもらわなければ、そもそも商品は売れません。広告に頼らず検索経由で自社サイトに流入させる仕組み=SEOは、長期的に見ても非常に重要な集客手段です。
海外ユーザーは「日本語サイト」を見ていない
当然ながら、英語圏やヨーロッパ・アジアのユーザーが日本語で検索することはほぼありません。日本語のみで構成されたサイトは、海外ユーザーの検索結果には表示されないか、表示されてもクリックされないのが現実です。
また、日本語ページに英語の自動翻訳ボタンを置いたとしても、Googleや他の検索エンジンにとっては「多言語対応ページ」として正しく認識されません。
英語だけでは不十分な理由(現地語×検索エンジン)
では英語に対応していれば十分かというと、それも一部の国にしか通用しません。たとえばフランスでは英語の検索ボリュームは少なく、現地語(フランス語)での検索が主流。ドイツやスペインも同様です。
つまり、「その国で、実際に使われている言語でページが存在すること」が、検索結果に出るための前提条件なのです。
国・言語別でインデックスさせる意義
Googleは国・地域ごとのユーザーに、最適な言語のページを表示しようとします。
そのためには、「このページはどの国の、どの言語向けか」を正しく伝えることが重要です。
その手段が、URL構造とhreflang
タグを使った言語・地域指定です。
https://example.com/fr/
→ フランス語(全世界向け)https://example.com/fr-fr/
→ フランス語(フランス国内向け)https://example.com/fr-ca/
→ フランス語(カナダ向け)
このように、言語だけでなく地域も明確に区別して構造化することで、
Googleはユーザーに最適なページを選んで表示できるようになります。
海外SEOは単なる翻訳ではなく、「誰に届けたいか」を検索エンジンに正しく伝える技術です。
そして、それが売上を左右する導線設計そのものにつながっていきます。
Shopifyにおける国・言語別ページの構造

Shopifyでは「Shopify Markets」という機能を通じて、複数の国・言語に対応したECサイトを一元管理することができます。この機能により、ユーザーの位置情報や言語設定に応じて最適な言語・通貨・ドメイン構成でページを表示することが可能です。
Shopify Marketsのマルチリージョン対応とは
Shopify Marketsは、国や地域ごとに次のような内容をカスタマイズできます:
- 表示言語(例:英語、スペイン語、フランス語など)
- 通貨(USD、EUR、JPYなど)
- 価格(国別価格設定)
- 税率・関税
- 決済方法
これにより、1つのShopifyストアでグローバルなユーザー体験を提供できるようになります。
ただし、SEOの観点からは、「各国・各言語ごとのページURLがどう設計されるか」が重要です。
URL構造の選択肢

Shopifyでは、多言語・多地域に対応する際、以下3つのURL構造から選択できます。
1. ディレクトリ方式(推奨)
例:example.com/en/
, example.com/fr/
- メリット:
- ドメインの権威(ドメインパワー)を共有できる
- 管理がシンプル
- Shopify Marketsの標準対応形式
- デメリット:
- 地域ごとのSEO施策が若干やりにくい場合も
2. サブドメイン方式
例:en.example.com
, fr.example.com
- メリット:
- 地域ごとに分離されたコンテンツ戦略が可能
- デメリット:
- サブドメインごとにSEO評価が分散されやすい
- Shopifyでは技術設定がやや複雑(DNS管理など)
3. ccTLD(国別ドメイン)方式
例:example.fr
, example.jp
- メリット:
- 強力なローカルSEO効果(GoogleはccTLDをその国のサイトとみなす)
- デメリット:
- ドメインが複数必要
- 管理・運用コストが高い
- Shopifyで複数ドメインの一元管理は非推奨
ベストプラクティスはどれか?SEOとの関係性
現在のShopify環境において、最も推奨されるのは「ディレクトリ方式」です。
なぜなら、ドメイン評価を集約でき、設定も比較的シンプルで、Shopify Marketsと自動連携しやすいからです。
- Googleはディレクトリでも正しく
hreflang
を使えば地域・言語を判別できる - Shopifyでは自動で
hreflang
タグを生成可能(Markets有効時)
したがって、SEO評価を分散させず、シンプルに運用したい場合は
example.com/en/
のような構造をベースに設計するのが現実解です。
もちろん、対象市場の規模や将来的な拡張性に応じて、サブドメインやccTLDを使う判断もありますが、越境ECの初期フェーズではディレクトリ方式+Marketsが最も合理的な選択肢と言えるでしょう。
hreflangタグの役割と基本

hreflangタグとは、Googleなどの検索エンジンに対して「このページはどの国・言語向けか」を伝えるためのHTML属性です。
多言語・多地域向けのコンテンツがある場合、適切にこのタグを設定することで、検索結果に最適な言語のページを表示させることができます。
hreflangとは何か?Googleの公式見解
Googleは公式ドキュメントで次のように述べています:
hreflang タグを使用すると、同じコンテンツの異なる言語バージョンが存在することをGoogleに知らせることができます。これにより、ユーザーが使用する言語に応じて最適なバージョンを検索結果に表示できます。
つまり、hreflangタグは以下のような問題を防ぐために存在します:
- 同じページが異なるURLで存在するときの重複コンテンツ評価の回避
- 適切な地域のページが意図通りに検索表示されないリスクの解消
「国と言語」の組み合わせの書き方
hreflang
は、基本的に以下の形式で記述します:
<link rel="alternate" hreflang="en-US" href="https://example.com/en-us/" />
<link rel="alternate" hreflang="fr-CA" href="https://example.com/fr-ca/" />
<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://example.com/ja/" />
- 最初の2文字:言語コード(ISO 639-1)
- ハイフンの後ろ:国コード(ISO 3166-1 Alpha-2)
- 例:
en-US
(米国向け英語)、fr-CA
(カナダ向けフランス語)
ポイントは、国コードが必須ではないということです。
グローバルに共通する英語ページなら、en
だけでもOKです。
Shopifyでの自動挿入と限界
Shopify Marketsを有効にしている場合、Shopifyは自動的にhreflangタグを挿入します。
また、Shopifyのディレクトリ構造に準拠している場合(例:/en/
, /fr/
)、基本的には正しく動作します。
ただし注意点があります:
- カスタムドメインやサブドメインを使っている場合は、手動で設定が必要になることも
- 一部のテーマやサードパーティアプリがhreflangを上書きする可能性がある
多言語化アプリ(Weglotなど)との連携に注意
多言語化アプリ(特にWeglot)は、独自にhreflangを挿入する機能を持っており、Shopify側の設定と競合・重複するリスクがあります。
- Weglotを使用する場合は、ShopifyのMarkets設定とどちらがhreflangを制御するかを明確にすること
- 誤ったhreflang構成(URLとコードのミスマッチ)があると、SEOに逆効果
ベストプラクティス:
多言語化アプリを使用する場合でも、hreflangの構成が正しく動作しているかSearch Consoleで常に確認するのが重要です。

Shopifyでの実装方法と注意点

Shopifyで海外SEO対策として hreflang
タグを正しく実装するには、使用する構成やアプリに応じて方法が変わります。
「Shopify Markets」などの機能により、自動的に挿入されるケースもあれば、カスタマイズが必要なケースもあるため注意が必要です。
自動挿入されるケース(Shopify Markets有効時)
Shopify Marketsを有効化し、複数言語・複数通貨に対応している場合、Shopifyは各言語バージョンのURLに対して自動でhreflangタグを出力します。
このときの出力は、Shopifyのベストプラクティスに従っており、以下のような形式になります:
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://yourstore.com/en" />
<link rel="alternate" hreflang="fr" href="https://yourstore.com/fr" />
ただし、サブドメインやccTLD(.jp、.deなど)で国別にドメインを分けている場合は、Marketsの範囲外になるため、Shopify側で正しくタグを出力しない場合があります。
手動設定が必要な場合(Liquid編集 or アプリ)
以下のケースでは、手動での設定が必要になる可能性があります。
- Shopify Marketsを使わずに、サブドメインや別ドメインで展開している
- 多言語アプリ(例:Weglot、Langifyなど)を使用している
- テーマ側のコードに
hreflang
出力が組み込まれていない
このような場合、<head>
セクションに hreflang
を記述するには、theme.liquid
にコードを追加する必要があります。
例(Liquid構文):
<link rel="alternate" hreflang="en" href="{{ shop.url }}/en" />
<link rel="alternate" hreflang="fr" href="{{ shop.url }}/fr" />
また、アプリ側が自動で出力している場合、タグの重複や不正なマッピングに注意が必要です。
hreflangとcanonicalの併用ルール
hreflang
を使用する際に忘れてはいけないのが、canonical
タグとの関係です。
Googleは、hreflangで言語・地域バージョンを指定する場合でも、それぞれのページに対応する正しいcanonicalタグを設定することを推奨しています。
たとえば、example.com/en
には以下のように記述:
<link rel="canonical" href="https://example.com/en" />
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/en" />
<link rel="alternate" hreflang="fr" href="https://example.com/fr" />
canonicalをすべての言語ページで「日本語のURL」に統一していると、他言語ページのインデックスが抑制される可能性があります。
→ 各ページごとにself-canonical(自身を指すcanonical)を使うのが基本です。
このパートにより、Shopifyでのhreflang実装が「自動で済む」のか「手動で調整が必要」かを判断しやすくなります。必要があれば、Liquid編集の具体コードやテーマ別注意点も展開可能です。
海外SEOでよくある誤解と落とし穴

海外SEOはテクニカルな側面が強いため、「とりあえず設定すれば効果が出る」と誤解されがちですが、実際には設定ミスや戦略のズレによって逆効果になるケースも少なくありません。以下に、Shopifyを含む越境ECでよくある代表的な誤解と落とし穴を紹介します。
hreflangを入れれば検索順位が上がる、は誤解
よくある誤解のひとつが「hreflang
タグを入れればその言語・地域で順位が上がる」というものです。
しかし、hreflang
の役割はあくまで検索エンジンに“正しい対象ページ”を教えるための手がかりであり、直接的に順位を押し上げるものではありません。
正しい言語バージョンを表示させやすくすることで、CTRや直帰率に影響を与え、間接的にSEOの健全性を支える要素ではありますが、「導入しただけでSEO効果が出る」と考えるのは危険です。
URL構造のブレによるインデックスの乱れ
多言語対応においてURL構造が一貫していないと、検索エンジンが正しくクロール・インデックスできない原因になります。
たとえば、以下のようなブレがあるとSEOに悪影響を及ぼします:
- 一部の言語だけ
/en/
ディレクトリ形式、他はサブドメインfr.example.com
にしている - 日本語ページだけ wwwなし、英語ページは wwwありで展開している
- リダイレクト設定が不完全で、404や重複ページが生じている
このような構造の不整合はクロール予算の浪費やカニバリゼーション(評価の分散)を引き起こすため、国・言語ごとに統一されたルールを守ることが重要です。
hreflangのミス:双方向リンクやccTLD間での注意
hreflang
タグを使う際のミスでよくあるのが、双方向リンクの欠落です。
Googleの仕様では、以下のように互いのページで相互にhreflangを記述する必要があります:
- Aページには Bへのhreflangリンク
- Bページにも Aへのhreflangリンク
片方向だけの記述では、Googleが関係性を正しく認識できず、期待する効果が得られません。
また、ccTLD(例:.jp, .fr, .de)を使用して国別にドメインを分けている場合、適切な canonical 設定と組み合わせなければ、hreflangが無視されるリスクがあります。
対策:Search Consoleの国別ターゲティング設定(ccTLDの場合は自動)、sitemap.xmlへのhreflang記述の活用なども併用するのが理想です。
このように、海外SEOは「やれば効果が出る」ではなく、「正しくやって初めて評価される」領域です。設定だけに満足せず、Search Consoleなどを通じて挙動を確認・修正し続ける運用力が鍵となります。
BODALESSによる海外SEO支援内容

越境ECにおいて成果を出すには、ただ翻訳するだけでなく「国・言語ごとの検索行動や技術要件を理解した設計」が必要です。BODALESSでは、Shopifyを中心とした越境ストア向けに、SEOを前提としたグローバル対応を支援しています。
URL設計・ドメイン選定の初期支援
まず重要なのは「どのURL構造を採用するか」という初期設計です。
サブディレクトリ型(例:example.com/en/
)にするのか、サブドメイン型(例:en.example.com
)にするのか、それともccTLD型(例:example.fr
)を選ぶのかで、SEOの方針や運用コストは大きく変わります。
BODALESSでは、事業フェーズ・運用体制・狙う国に応じて、最適なURL設計とドメイン戦略を策定します。
hreflang実装やアプリ選定のアドバイス
Shopify Marketsや多言語化アプリによって hreflang
タグが自動出力されることもありますが、誤設定や非対応のケースも少なくありません。
BODALESSでは、アプリ選定段階から適切な実装までを見越して、
- hreflangの構成チェック
- canonicalとの整合性
- sitemapへの記述方法
などをサポートし、国別インデックスの乱れを防ぐSEO設計を支援します。
各国向けキーワード選定&ローカルSEO
単純に「英語で翻訳する」だけでは、現地ユーザーの検索意図に刺さりません。
例えば「delivery」はイギリスでよく使われ、「shipping」はアメリカで多用されるなど、同じ英語圏でも検索語の違いが明確に存在します。
BODALESSでは、現地語や現地文化に基づいたキーワードリサーチとローカライズを行い、Googleだけでなく現地で使われる検索エンジン(例:百度、Naver)にも対応したコンテンツ支援が可能です。
SEOは一度設定して終わりではなく、「構造・コンテンツ・UXの三位一体で成果を出す領域」です。
海外展開を見据えたSEO支援に興味があれば、ぜひご相談ください。
/リン
まとめ|正しく設計すればSEOは味方になる

越境ECにおいて最も重要なのは、「商品を届ける前に、検索で見つけてもらうこと」です。
どれだけ良い商品や優れた翻訳があっても、検索エンジンに正しく評価されなければ、ユーザーの目に触れることはありません。
そのためには、URL構造やhreflangタグといったSEOの「土台部分」を正しく設計することが不可欠です。これらの技術要素は、文化や言語に合わせたコンテンツと組み合わせて初めて、ユーザーにも検索エンジンにも好まれる形になります。
SEOは時間がかかる施策だからこそ、最初の設計ミスが後々の足かせになりやすい領域です。
特にShopifyのように多機能なプラットフォームでは、機能選定や実装方法に迷うケースも多いため、早い段階でプロのアドバイスを受けることで、不要な修正コストや機会損失を回避することができます。
正しい初期設計ができれば、SEOは「リスク」ではなく、継続的な集客を生む最大の武器になります。
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